IBM Power Systems Virtual Server(以下、PowerVS)のお見積りは、IBMビジネスパートナー様から取得できるほか、概算お見積りであれば IBM Cloudサイトから取得が可能です。
ここでは、IBMビジネスパートナー様にお見積りをご依頼される際に最低限必要な情報のポイントをご説明いたします。
PowerVSのお見積りを取得するための最低限必要な情報として、「案件基本情報」「PowerVS基本情報」「ハードウェア構成」「PowerVSへの接続方法」「運用サポート」の大きく5つのポイントがございます。
1. 案件基本情報
- お見積り種類:
お見積種類:正式お見積り、または概算お見積りをお伝えお願いします。 - お見積り期間:
PowerVSの最低契約期間は6カ月で、6カ月から1ヵ月単位で契約期間を追加することが可能です。 - 開始日:
概算見積りの場合は、おおよその利用開始日をお伝えお願いします。 - お客様情報:
会社名、パスポート・アドバンテージもしくはパスポート・アドバンテージ・エクスプレスのサイト番号。(正式見積りの場合は必須、概算見積りの場合は任意です) - 見積り希望項目:
必須お見積り(PowerVS、Network)の他に、お見積りを希望する項目をお伝えお願いします。 - IBM Cloud Object Storage(ICOS):
IBM Cloud上にデータを保管する場合に利用できます。一回の保管量が約2TB未満を推奨します。 - Virtual Tape Library(VTL):
IBM Cloud上の仮想テープライブラリーです。高速、大容量のバックアップに最適です。 - ISVソリューション:
ご希望のソリューションをお伝えお願いします。
ご参考までに、https://www.i-cafe.info/solution - PowerVS作業お見積り:
必要可否をお伝えお願いします。 - Network作業お見積り:
必要可否をお伝えお願いします。 - ルーター機器:
障害時の切り分けも考慮し、PowerVS専用でご用意いただく事を推奨されております。新たに機器お見積が必要な場合にはお伝えお願いします。
2. PowerVS基本情報
項目 | |
---|---|
利用用途 | Purpose |
ロケーション | Data Center |
OS | Operating System |
- 利用用途:
本番、BCP、開発、検証(テスト)などをお伝えいただけますと、より目的にそったご提案が可能かと存じますので、お伝えお願いいたします。 - ロケーション(データセンター):
インスタンス(区画)の作成先のデータセンターを選択できます。
利用用途により適切なロケーションの選択が可能であり、日本では東京と大阪があります。 - 利用OS:
IBM iとAIXとLinuxのご選択が可能です。
それぞれ希望される利用バージョンやLinuxの種類をお伝えお願いします。
3. ハードウェア構成
ハードウェア構成 | Hardware | |
---|---|---|
Core type | ||
Desired Core | ||
Memory | ||
Storage Tier | ||
Storage GB | OS領域(GB) | |
希望容量(GB) | ||
合計(GB) |
- Hardware:
PowerVSを作成するベースとなるサーバーを選択できます。
2023年9月現在、日本ではS922もしくはE980から選択できます。 - Core type:
3つから選択できます。
・(Uncapped) shared:他のクライアントとの間でプロセッサーを共有します。
・Capped (shared):他のクライアントとの間でプロセッサーを共有しますが、要求されたリソースを超えて自動拡張されません。
・Dedicated:CPUを占有して利用したい場合に選択します。
- Desired Core:
ご利用になるコア数を設定いただきます。
Core TypeがDedicated(占有)の場合は1コア単位、共有などその他の場合は0.25コア単位で増減が可能です。 - Memory:
必要なメモリ容量をGB単位で設定が可能です。 - Storage Tier:
ディスクタイプをTier1(NVMe)もしくはTier3(SSD)からの選択が可能です。 - Storage GB:
必要なストレージ容量をGB単位での設定が可能です。
IBM Cloud Object Storage (ICOS)へバックアップを行う場合には、実効容量の二倍を目安とした一時領域が別途必要となります。
IBM i の場合、IBM i OSにバンドル提供されるライセンスプログラムのほかに、以下4つのオプションライセンスの追加が可能です。
オプション ライセンス |
IBM i Cloud Storage Solution for i (CS4i)(5733-ICC) |
---|---|
IBM i Power HA | |
IBM Db2 Web Query for i | |
IBM Rational Dev Studio for IBM i (WDS) |
- IBM i Cloud Storage Solution for i (CS4i):
IBM i データをIBM Cloud Object Storage(ICOS)にバックアップするための IBM クラウド・ソリューションです。 - IBM i Power HA:
IBM iの高可用性を実現するソリューションです。 - IBM Db2 Web Query for i:
ビジネス・インテリジェンスに結びつく IBM i の Web ベースの照会および報告書作成ソリューションを提供します。 - Rational Dev Studio for IBM i (WDS):
開発ライセンスを利用される場合は、ユーザー数のご確認をお願いします。
4. PowerVSへの接続方法
PowerVSへどのようにネットワークを接続するかにより、お見積りに影響がでてくる箇所でございます。
事前にしっかりご意向や既存環境をご確認いただき、ビジネスパートナー様にご相談をお願いします。
PowerVSへ接続するためのネットワークの接続方法は8つあります。
※IBM CloudではClassA(10.x.x.x)のアドレス体系の一部を利用している為、ClassA(10.x.x.x)を利用しているお客様の場合は、事前にご相談を頂きますようお願い致します。
インターネット回線
- パブリック接続
- SSL-VPN接続
- IPSec VPN(ClassicのVirtual Router Appliance経由(以下、VRA))
- IPSec VPN(VPN for VPC) ‐ VPN接続
- IPSec VPNaaS ‐ VPN接続
キャリア回線
- Direct Linkによる専用線接続(ClassicのVRA経由)
- Direct Link2.0による専用線接続(VPCの仮想サーバー経由)
- Megaportを利用した直接接続 ※2023年9月時点では大阪DCのみ
5. 運用サポート
PowerVSには、基本サービスとして、無償のIBM Cloudベーシックサポートが付いていますが、より充実したサポートサービスがございます。
- ベーシック:月額利用料金もしくはサブスクリプションに含まれます。
- アドバンスト:本番環境でおすすめのサポートです。お問合せの重要度の設定が可能です。
- プレミアム:アドバンストのサービス内容に加え、テクニカル・アカウント・マネージャー(通称、TAM)のアサインにより充実したサポートがあります。
次回の記事では、IBM CloudのWebサイトから、ご自身で概算見積りを取得する方法をご説明いたします。(2023年9月公開予定)
IBMビジネスパートナー様もいらっしゃいます。
ご担当のIBMビジネスパートナー様にお問い合わせください。